◆演奏会『モーツァルトに会いたい』

― ピアノ曲でたどるモーツァルトの生涯 ― について
河野 美砂子
 昨年は、京都府立府民ホール・アルティにおきまして「ベートーヴェン・ピアノトリオ全曲演奏会」(全3回)を開催、おかげさまで多くの方々にご来聴いただきました。その演奏は、共演者(Vn.四方恭子、Vc.河野文昭)に助けられ、たいへん有意義なものとなり、お客さまにも大いに喜んで頂きました。

たくさん寄せられました感想の中でも、ぜひこういうシリーズを続けてほしい、というものが特に数多くあり、次の企画をあれこれ考えておりましたところ、今年になって、モーツァルトについての講演のお誘いを受けました。

その流れで、ぜひモーツァルトの多くのクラヴィア(鍵盤楽器)曲を年代順に弾いてみたい、と考えたのが発端です。今年は、生誕250年ということでさまざまな催しがありますが、ケッヒェル番号1番の5歳の時の曲から、死の年35歳の作品まで通して聞ける演奏会が案外見つからないため、それなら私がやってみよう、と企画いたしました。

また、会場として、京都芸術センターを使用することができることになったのも、私にとってはたいへんうれしいことでした。
この5月から6月にかけて、京都芸術センター企画・主催の〈文芸ことはじめ・短歌〉全4回シリーズで、私が講師となった「音・ことば・歌」が開催されました。その時、この芸術センターが、地元の人をはじめ、中高年はもちろん、若い人にも活発に利用されていることを知るとともに、ジャンルを越えた催しを企画する精力的なスタッフの存在にもたいへん好感を持ちました。
もと明倫小学校という歴史ある空間と、そこに約100年存在し続ける楽器・ペトロフを今回演奏するのも、この芸術センターでしかできないことだと楽しみにしているところです。
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