■河野 美砂子(こうの みさこ)
■ピアニストとしての経歴 (2023年4月更新)
京都市生まれ。
京都市立堀川高校音楽科、京都市立芸術大学音楽学部卒業。卒業後ピアノを井上直幸氏に師事。
1981年、京都府立文化芸術会館にてデビューリサイタル開催。
1982年渡米、ロスアンジェルスにてJ.ペリー氏に師事する傍ら、P.ニューバウアー氏(元ニューヨークフィル主席ヴィオラ奏者)と共に、カリフォルニア、アリゾナ、ニューメキシコ各州にてコンサートツアー。
その後、渡欧。83年~84年ウィーン国立音楽学校のE.ウェルバ教授の歌曲伴奏のクラスに通う一方、フライブルクのE,ピヒト=アクセンフェルト女史のもとでさらに学ぶ。
85年帰国後、ソロリサイタルシリーズ〈シューベルトとシェーンベルク〉を五年間にわたり開催、95年および96年には、そのまとめとして二晩にわたる連続リサイタルを、京都、大阪、東京にて開催した。
室内楽では、P.カルミレッリ氏(元イ・ムジチ合奏団主席ヴァイオリン奏者)、J.ベーカー、J.ワトソンを始めとする内外のソリストとの共演の他、ベートーヴェン「ピアノとヴァイオリンためのソナタ」全10曲、同「ピアノとチェロのためのソナタおよび変奏曲」全8曲、同「ピアノトリオ」全9曲等をシリーズで企画、演奏した。
その後現在まで、上記の他に、ヴィヴァルディ、D.スカルラッティ、J.S.バッハ、ヘンデル、C.P.エマヌエル・バッハ、ハイドン、ウェーバー、モーツァルト、シューベルト、メンデルスゾーン、ショパン、シューマン、ブラームス、ドヴォルジャーク、フランク、サンサーンス、フォーレ、ドビュッシー、ラヴェル、プーランク、マーラー、R.シュトラウス、シェーンベルク、ウェーベルン、ベルク、ヒンデミット、バルトーク、ヤナーチェク、マルティヌー、マルタン、チャイコフスキー、ラフマニノフ、プロコフィエフ、スクリャービン、ショスタコーヴィチ、シュニトケ、ケージ、リゲティ、メシアン、ガーシュイン、ピアソラ、山田耕筰、尾高尚忠、中田喜直、松村禎三、間宮芳生、武満徹、湯浅譲二、林光、一柳慧、三善晃、平吉毅州など多くのソロ、室内楽作品を積極的に演奏している。
歌曲についても、シューベルト、シューマン、ブラームス、R.シュトラウス、ヴォルフなどドイツリートの他、フォーレ、ドビュッシー等フランス歌曲にも大いに興味を持ち演奏を行っている。
1998年、愛媛県伊方町立伊方中学校の校歌を作曲(作詞・坪内稔典)。
1999年より2006年まで、長野県戸隠にて「お話と朗読と音楽の夕べ」において、8回にわたり、河合隼雄氏、谷川俊太郎氏と共演。
2006年、ソロリサイタル【モーツァルトに会いたい】を京都芸術センター講堂にて開催、従来とは違った形の音楽会が反響をよび、シリーズ継続が決定した。
2007年【モーツァルトに会いたい・2】(室内楽特集・「ピアノトリオ」「4手のピアノ曲」)
2008年3月【モーツァルトに会いたい・3】(モーツァルト・マニアック)
・・・詩人の谷川俊太郎氏の自作朗読やお話+河野のソロ演奏
同 11月【モーツァルトに会いたい・4】(ピアノで聞くオーケストラの作品)
2009年3月【モーツァルトに会いたい5・最終回】(ピアノコンチェルト 第23、24番)
その他、各地の音楽祭出演、オーケストラとの共演、通奏低音(チェンバロ)等、広い分野での演奏活動を行うほか、全日本学生音楽コンクール(毎日新聞社主催、NHK後援)などコンクール審査員も務める。
フォルテピアノ(初期のピアノ)にも興味を持ち、コンラート・グラーフ製の楽器を使い、シューベルトの室内楽演奏会を開催した。
2010年より、2台のピアノによる【モーツァルト ピアノ協奏曲全曲演奏会】を開催。
作曲年代順に演奏する形で、共演は、上野 真 氏。
毎回、全2回公演で、第1日目は河野がソロ、上野氏がオーケストラパート。翌日は、同じ曲を、上野氏がソロ、河野がオーケストラパートを受け持つ形で、2016年3月に第7回をもって完結した。
2006年より演奏付き講演会を開始、「作曲家シリーズ」や「和音のフシギ」「日本人とピアノ~絶対音感って?」など多彩なテーマを取り上げ、今までに約80回を開催している。
「モーツァルトの光と翳」(全7回)の後、シューベルトを取り上げたあと、「生演奏でバッハを」と題したシリーズを、約三年にわたり開催した。
バッハの内容としては、以下の通り
「インヴェンションとシンフォニア」(全30曲)、「フランス組曲」(全6曲)、
「イギリス組曲」(全6曲)、「パルティータ」(全6曲)、および
「イタリア協奏曲」+「フランス風序曲」のあと、1年間、計8回にわたり「ゴルトベルク変奏曲」の
全30変奏曲を毎回5曲ずつ生演奏+解説。最終回には全30変奏曲を通奏した。
2020年9月からは、生誕250年のベートーヴェン「ピアノソナタ」を10回にわたって取り上げた。
2022年度は「なつかしいピアノ曲」(全6回・・・ブルクミュラー、ソナチネアルバム、「子どもの情景」、「アラベスク」等)を開催。
2023年4月からは、新シリーズ「ショパン~「マズルカ」全曲演奏でたどる生涯」を開催中。
2012年より京都府亀岡市の生涯学習市民大学講師として、毎年1回「演奏+お話」の講座を受け持っている。
「モーツァルトの光と翳」「チェロとピアノのひととき」「歌とことば ― ソプラノとともに」「フルートの調べでつづる音楽史」「ベートーヴェンを聴く」「クラリネットの魅力」「ヴァイオリニスト登場 ― 京響コンサートマスターを迎えて」「オーボエってどんな楽器?」「ブラームスはお好き?」など。
2023年12月年には「ヴィオラ」を取り上げる予定。
他に「アトリエ・ワム コンサート」と題し、親密な小スペースでの演奏会を開催。
所持するクラヴィコード(ヨリス・ポトフリーヘ Joris Potvlieghe 作・2010年)の奏法の研究、演奏も積極的に行っている。
1997年より02年まで大阪音楽大学大学院(室内楽)非常勤講師、2000年より2004年まで京都大学医療技術短期大学部(芸術学)非常勤講師、1995年より2022年まで京都市立芸術大学音楽学部(ピアノ)非常勤講師。
1988年淡路島国際室内楽コンクール優秀賞。
第35回(2015年度)藤堂音楽賞受賞。
新聞各紙などにたびたびエッセイが掲載され、そのうちの2編が、高校および大学入試問題に取り上げられた。
■歌人としての経歴
1992年、塔短歌会に入会。
1995年第41回角川短歌賞受賞。
2004年、第一歌集『無言歌』(砂子屋書房)を刊行。
同歌集により、第5回現代短歌新人賞受賞。
2015年5月、第二歌集『ゼクエンツ』(砂子屋書房)を刊行。
2016年4月、同歌集により第12回葛原妙子賞を受賞。
現在、毎月第1土曜日(10時30分~12時30分)、
「新・短歌教室」を開催(リビング京都新聞社)。
奇数月の第3日曜(午後1時15分~4時)、
ウィングス京都(京都大丸北)にて「アーモンドオレ歌会」を開催。